賃貸経営メールマガジン

再建築不可物件のメリット・デメリット

法律・条例・制度
2020/11/26

皆さん土地を探しているときに、相場より安い「再建築不可物件」を目にしたり、耳にすることはありませんか?「再建築不可」とはどういうことでしょうか。不動産投資として購入するメリットやデメリットをご説明します。

 

そもそも再建築不可物件とは、家が建っていても、解体して更地にしてしまうと新たな家を建てられない土地のこと。都市計画区域と準都市計画区域内だけにあります。
域内では建築基準法により「接道義務」が設けられています。接道義務とは「幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」というもので、接していない土地には家を建てることができないと定められています。
また、道路に2m接していても塀が共有であったり、自分の所有であった場合に境界が2mでも有効が1.9mという事があります。この場合、測量図が再建築可能でも再建築できない場合もありますので確認が必要です。

 

なぜこんな義務があるのかというと、消防車や救急車といった緊急車両が入れるようにすることで、消火活動や救助活動をスムーズに行えるようにするためです。
つまり消防車や救急車が入れない土地に家を建てないようにということです。

 

再建築不可の物件を一般の物件と比べた時のメリットは大きく4つあります。

 

・物件価格が安い
再建築不可の物件はそのままだと建て直しができないので用途が限られます。
そのため不動産としての利用価値や資産価値は通常の物件と比べて低くなります。
物件の売却価格もその分安くなります。
初期費用がかからないという点は再建築不可物件のメリットです。

 

・利回りが高い
再建築ができなかろうが住む人にとっては関係ありませんから賃料は相場の価格になります。物件価格が安い分利回りが高くなります。
この利回りの高さこそが再建築不可物件の最大のメリットであると言えます。

 

・資産価値が低く固定資産税等も安い
再建築不可の物件は資産価値が通常の物件よりも安いため固定資産税評価額も低くなります。固定資産税評価額を基に算出される固定資産税や都市計画税に安くなります。
毎年支払わなければならない税金が一般的な物件よりも安く済みますから実質の利回りは高くなります。

 

・リフォームやリノベーションは可能
建物全部を壊して建て直すことはできませんが、中身を変えることは可能です。
リフォームやリノベーションでうまく見た目を整えることができれば古い物件でもお客さんはつきます。

 

続いて、再建築不可の物件を一般の物件と比べた時のデメリットは大きく4つです。

 

・再建築ができない
例えば地震や火災で建物が倒壊してしまったら再び建て直すことはできませんから、大きなリスクです。比較的古い物件が多いのが再建築不可物件の特徴ですからリスクを抱えたまま運用しなければならないということで精神的な不安があります。
仮に更地にした場合は建築の許可が出ない限りそのまま更地として所有していくしかありません。

 

・ローンを組みにくい
建築不可の物件は利用価値や資産価値が低いため担保としての価値も低いです。
つまり銀行から融資を受けることが難しいです。融資を使えないため自己資金で買う必要があることが多い様です。
仮に融資を使えたとしても、金利が高かったり融資期間が短かったりと条件が悪く運営していく上で問題が生じることも多いです。

 

・道路が狭いため使い勝手に難がある
道幅が狭いため火災や地震などの災害時に消防車や救急車などが近くまで進入できなかったり、階段をたくさん登らなければいけなかったり、家まで細い道を通らなければならなかったり、自分の土地に入るために他の人の土地を通る必要があったり、何かしら問題があることが多いです。

 

・売却が難しい
融資を受けにくかったり、資産価値が低かったり、使い勝手もよくないことからなかなか買い手がつかないことがあります。出口戦略をなかなか取りにくいのが再建築不可の物件の大きなデメリットかなと思います。

 

上記の通り、メリット・デメリットがありますが、実際に購入を検討する場合は

・インフラ状況をきちんと確認

・雨水の排水

・風通しや日当たりはどうか

などの確認事項は一般の物件と比べて多いです。
このように建て替えができない再建築不可物件ですが、安く手に入るのは大きな魅力です。また、倒壊してしまうと住めなくなってしまうなどデメリットもあります。
購入は後悔のないように慎重に、専門家と一緒に検討するとよいでしょう。

 

PICK UP
全カテゴリー注目NO1

RECOMMEND
オススメ記事

TOP