相続税路線価 5年連続上昇
先月、相続税路線価(以下、路線価)が発表されました。
路線価とは土地の価格を表す指標の一つで、相続税や贈与税の税額を算定する基準となります。
毎年7月1日に国税庁より発表されますが、その年の1月1日時点の評価価格となっています。
路線価以外にも「一物五価」という言葉があるように、土地には主に5種類の価格が存在します。
1「路線価」
冒頭で記述した通り国税庁がその年の1月1日時点の表価価格を、毎年7月1日に発表し、
相続税や贈与税の評価価格を算出する基準となります。
2「公示地価」
国交省が地価公示法に基づいて毎年1月1日を基準日として、毎年3月中旬頃に発表します。
国が標準的な土地を選定してその正常な価格を公示しており、「国が調べた土地価格の目安」で、
一般の土地取引や公共事業用地の取得の際の価格の指標になります。
3「基準地価」
各都道府県が国土利用計画法に基づいて毎年7月1日時点を基準日として、毎年9月下旬頃に発表します。
公示地価と似てはいますが、調査時期が公示地価は1月1日なのに対し、基準地価は7月1日なので半年間も違っています。
4「固定資産税評価額」
市町村が発表する固定資産税を支払う基準となる価格で、基準年度ごとに3年に一度評価額が見直されます。
前年の公示地価の7割相当が評価水準となっています。
5「実勢価格」
実際に市場で売買がされる取引価格 になります。過去に売買取引があればそれが実勢価格になり、
売り手と買い手との間で需要と供給が釣り合った価格とも言えます。
1~4は「公的価格」になり、それぞれ何を算出する為に用いるのか、また、調査をする所轄や価格の決め方、
調査基準日が大きく変わってきます。
話しが逸れてしまいましたが、先月発表があった路線価を見ると全国の宅地は昨年比で
+1.6%となり、5年連続で上昇しました。
インバウンド需要の増加や東京オリンピックを控え各地で再開発が行われていることが
大きな要因かと思われます。
全国で最も高かったのは、中央区銀座5丁目の中央通りの文具店「鳩居堂」前の1㎡あたり4,592万円で、35年連続で日本一、
去年に続いて過去最高額を更新しています。
神奈川県内で最高路線価となっているのが、横浜市西区南幸1丁目の横浜駅西口バスターミナル前通りの1㎡あたり1,560万円。
全国で3番目の高さ、上昇率となっています。
しかしながら冒頭で述べたように路線価は1月1日時点での評価になりますので、
日本におけるコロナ禍の影響に関しては反映されていません。
今後このコロナ禍の影響により9月に発表する基準地価が広範囲で大幅に下落した場合、
路線価の補正率等を定めることを検討しているようです。
業種を問わず様々な企業に大きな影響をもたらしている新型コロナウイルスですが、
もちろんオーナー様や賃貸物件の入居者にも少なからず影響があるかと思います。
また今回の記事のように土地に関しても大きな影響が出ています。
路線価だけではなく、今後不動産の価格において大きく変動する可能性があり、
今不動産をお持ちの方や土地を購入してこれから賃貸経営を計画されている方においては、
タイミングやコロナ禍による賃貸需要の変化等なかなか悩ましいことが多いと思います。
我々のような管理会社はこの状況にどう対応すべきなのか、その計画が安全なのかまで
判断することができます。
何かお困り事がございましたらベストな解決策をご提案させていただきますのでいつでもお問い合わせください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
神奈川支店 アンサー事業部
土屋 一夢