賃貸経営メールマガジン

『外装工事の塗料の種類と特徴』

リフォーム・リノベーション
2022/7/28

建物も新築時から時間の経過とともに、様々な劣化・損耗が見られるようになります。弊社からも建築年数や建物の実情に応じて外装工事のご提案を行っています。最近では、建物全体が現時点でどのような状態なのか、という視点での「建物診断」の実施を特におすすめしています。「建物診断」の結果、外壁や屋根に必要なメンテナンスの内容をお示しして、この内容の工事を実施する場合のお見積書のご提示、というのが一般的な流れとなっています。

最近、外装業者様から提示されるお見積書の中で、外壁・屋根の塗装に使用するメインの塗料を3種類ほど挙げてもらい、その中から実際に使用する塗料を決めていくケースが多くなっています。
今回は、この主な3種類の塗料について、特徴やメリット・デメリットなどについてお話ししたいと思います。

1.シリコン塗料
塗料の中でもスタンダードな普及品として、広く使用されています。塗料の主成分の合成樹脂がシリコン系である塗料を指します。
耐久年数:約10年

【メリット】
・コストパフォーマンスが高い。(単価の割には耐久年数が長い)
・塗膜の光沢保持率が高く、綺麗なツヤのある仕上がりとなり、長い期間光沢を維持できる。
・耐熱性に優れ、汚れにくい。

【デメリット】
・塗膜が固く、ひび割れしやすい。

2.ラジカル塗料
塗膜を劣化させる原因物質「ラジカル」の発生や活動を抑えることで塗膜を長持ちさせる効果がある塗料です。(正確には「ラジカル制御塗料」といいます。)近年、業界でも注目されている塗料です。
耐久年数:約12年

【メリット】
・シリコン塗料と価格差がほとんどない。
・汚れにくい。
・防カビ、防藻効果がある。

【デメリット】
・発売から日が浅く、商品ラインナップが少ない。

3.フッ素塗料
塗料の主成分である合成樹脂にフッ素が含まれる塗料で、高い耐久性を示す塗料です。商業施設などを中心に使用されていましたが、徐々に一般住宅などにも使用されています。
耐久年数:約15年

【メリット】
・耐久年数が長い。
・汚れにくい。
・将来的なメンテナンスの回数を抑えられる。

【デメリット】
・塗料の価格が高い。(シリコン塗料と比べ、1.5倍ほど高価になります。)
・塗装方法に高い技術が必要となる。(外装業者の選定に注意を要する。)

それぞれの塗料に特徴、メリット・デメリットが以上の様にありますが、各塗料の耐久年数から、今後30年間に必要な外装工事の頻度を考えると、単純計算で、
・シリコン塗料   3回
・ラジカル塗料  2.5回
・フッ素塗料    2回
の回数で工事が必要である、ということになります。

工事1回に掛かるコストを重視するか、将来的な工事回数や耐久性を重視するか、なかなか難しい判断のように思われますが、外装業者様のお話ですと、「ラジカル塗料」を選ばれるお客様が一番多い、とのお答えでした。
3種類の塗料をそれぞれ比較し、コスト、耐久年数、品質を総合的に考慮すると、最終的には「ラジカル塗料」を選ばれる方が多いのではないか、という印象を持ちました。
もちろん、皆様がどの点を重視して塗料を選ばれるか、その視点を大切にして頂きながら、どの塗料を選択したとしても、施工品質が落ちることがない、ということを最優先に外装工事をご検討ください。

 

 

本店 運営推進事業部
岡野  明徳

PICK UP
全カテゴリー注目NO1

RECOMMEND
オススメ記事

TOP