賃貸経営メールマガジン

海外在留で印鑑登録証明書が必要な時は?

法律・条例・制度
2021/2/4

 

私たちの日常生活において、実印が必要となる場面があります。

 

例えば、自動車の購入、金融機関からの借り入れ、不動産の売買など・・・・。
印鑑を押すということは、「書類に書かれていることを認めます」という、意思表示の意味合いがあります。先ほど挙げた例での契約書など特に重要な書類においては、「確かに本人の意思で、本人が押印した」ということの証明が必要となります。この証明に必要となるのが実印です。

 

実印とは、居住する市区町村に登録を行った印鑑で、法律上・社会上の権利・義務の発生を伴い、法的な効力を持つ公的に認められた印鑑です。登録を行うことによって発行される証明書が印鑑登録証明書で、「(証明書に印された)印影は、確かに本人の実印である」ことが証明されます。融資契約や不動産売買契約など信用が求められる場面で、実印と印鑑登録証明書のセットが信用の証となる、と言えます。

 

不動産においてこの実印・印鑑登録証明書が必要となる場面としては、先ほど挙げた売買契約や融資契約の他に、相続手続きの際にも必要となります。相続人間で遺産分割協議書を作成して相続手続きを行いますが、協議書には、相続人全員が署名と実印での押印をし、印鑑登録証明書を添付します。これにより、協議書に記載された遺産分割の内容を相続人全員が同意した証となります。

 

この印鑑証明登録書ですが、日本に住民登録をしていない海外在留の人が取得するにはどうしたらよいでしょうか。

 

日本に住民登録をしていない海外に在留している人に対して、日本の印鑑証明に代わるものとして日本での手続きのために発給されるものとして、「署名証明」という書面があります。

 

遺産分割協議書に海外在留の人が署名をする場合、本人が遺産分割協議書を持参して在外公館へ出向き、領事の面前で協議書に署名・拇印を行います。本人が確かに協議書に署名・拇印を
したことを証明する書面として「署名証明」が発行されます。この書面が日本国内における印鑑登録証明書に代わるものとして効力をもつことになります。

 

ちなみに署名証明の発行には、本人が領事の面前で署名・拇印を行わなければならないため、本人が在外公館へ出向いて申請する必要があります。このため、代理申請や郵便申請はできません。

 

ビジネスだけでなく、官庁や国際機関、NGOなど、海外在留の日本人が多くなっています。こうした海外在留の人が署名証明を必要となるケースも増えていることでしょう。

 

実際に弊社の業務においても、オーナー様に相続が発生して海外在留の相続人の方に署名証明のご提出をお願いするケースが増えています。煩雑な手続きとはなりますが、スムーズな手続きの進行にご協力を頂けますと幸いです。

 

運営推進事業部
岡野 明徳

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