賃貸経営メールマガジン

注目の民泊に新たな問題が浮上!

2016/1/14

こんにちわ。本日は黒沼が担当いたします。

 

昨年から度々、新聞やネットをはじめ各種媒体で話題になっている民泊ですが、依然として法整備が進まない中でも実際の市場では、着々と運営する法人や個人が増加する一方です。

 

本来、政府が推進しようとしている事なので喜ばしいことではあるのですが、多方面で様々な問題も浮上しています。代表的な問題として取り上げられるものとしては、「旅館業法に抵触するのではないか?」という問題かと思われます。この問題に関しては以前のメールマガジンでもお伝えしていますので割愛させていただきます。

→【賃貸住宅のホテル化】2015年11月26日 レポート門脇

http://www.hiro-web.co.jp/magazine/new_maga/9159/

 

今回取り上げる問題は、この正月休みにニュースの特集として放送されたものなので、ご覧になった方もいるかもしれません。

 

問題となっている内容の概要は以下のようなものです。

 

あるタワーマンションのゲストルームが民泊サイトに掲載されており、実際に何度も繰り返し利用されているという事です。

ゲストルームというのは、マンションの住民が家族や親せき、友人を大勢招いてパーティーを開いたり、住民同士がイベントで使用したりすることの出来る宿泊設備の整った共用設備で、最近のタワーマンションでは必ずと言っていいほど住民が利用できる施設として備わっています。

 

ここで問題なのは、利用する目的が前述のような場合を前提としたものであるにも関わらず、民泊として利用されている事。住民全員の共有資産であり、管理費で管理・運営されている施設を特定の住民が私腹を肥やす為に、商売目的で使用している事です。

 

ちなみに放送されていた例では、通常住民が利用する際の利用料は1泊6,000円であるのに対して、サイトで掲載されていた金額は50,000円を超える金額設定でした。

 

取材にあたっていた記者が実際にサイトに掲載していた本人と接触して、インタビューをしていましたが、やり取りは以下のようなものだったと記憶しています。

 

記者「民泊に利用していることを悪いことだとは思っていないのか?」

掲載者「悪いとは思っていない」

記者「利用に際しては、知らない第三者に貸す目的では使用できないはずだが?」

掲載者「見ず知らずの第三者ではない。サイトを通してSNSで繋がり、実際の

宿泊に関してのやり取りをしている時点で、既に友人であり、友人を泊めることに問題はない」

記者「しかしながら、実際に住民が支払う利用料金と民泊の料金に開きがあり過ぎる状況では、問題視されても仕方がないと思うが?」

掲載者「むしろ使用されずに維持管理費だけ支払っている状態や利用頻度が低ければマンションの管理組合としてみた場合は損失であり、利用頻度を高めた分、利用料がマンション側へ入るのは経済効果も上がり、いいことだと思っている」と言った具合でした。

 

確かに掲載者が言っている事にも一理あるとは思いますが、訴えた他の住民もご尤もとだと思います。

 

現在このような事例が多数報告されていて、あるマンション組合では、新たにマンション規約のゲストルーム使用細則に「民泊としての利用を禁止する」旨の内容を盛り込む動きも同時並行で進んでいるようです。

 

オリンピック時のホテル数の不足を補う事が目的であったはずの「民泊」も、本来の目的を逸脱したこういった事例の場合も、明確な罰則規定や法律がないのが現状です。

 

様々な規制を時限的にでも、またこの機会に規制緩和をする事で国内の空き家の有効活用が進んだり、ホテル不足を解消して外国人観光客が自身の目的や予算に応じた宿泊施設を利用できる環境を整えていく上では、非常に良い制度のような気もしますが、元々規制にがんじがらめとなっている日本市場において、一気に外国で行っている制度を導入すること自体に問題があったように感じます。

 

そうは言っても、始まっている制度に対してどのように法整備がされて行き、今後の賃貸市場にどのような影響を与えることになるのかその動向は非常に気になります。

 

今週も、最後までお付き合いいただきありがとうございます。

 

 

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