賃貸経営メールマガジン

メゾネットタイプのメリット・デメリット

トレンド
2013/10/17

皆さんこんにちは、本日は清水が担当致します。

 

賃貸計画に大切なのは、計画地にふさわしい間取りの選択と、ターゲットの希望するニーズの反映です。間取りについては、一度完成するとそう容易く変更はできませんから、慎重に選定する必要がありますよね。

1LDKの計画が持ち上がった時、弊社にこんなご相談がありました。

『1LDKをメゾネットタイプで計画してみようと思うが、家賃相場や人気はどうか?』

良いタイミングでご質問をいただきました。

 

メゾネットタイプとは1つの住戸が複数階にまたがって構成される住宅で、室内には住戸専用の階段が設けられています。住む感覚は一戸建に近いと言えるでしょう。

メゾネットにした時のメリットは、自身の居住空間が上下階を専有するため、上階宅の足音が気にならない・自分や家族が階下宅に騒音迷惑をかけない等、上下階間での騒音解消が最も特長的です。前出の“戸建感覚”の良さも人気のポイントで、空間にメリハリをつけて生活できる、1階の庭と2階の眺望を同時に得られる等が魅力です。

昇降が室内階段となることで、風雨ざらしとなる共用階段が存在しない分、オーナー様の修繕コストが軽減できるといった提案をされる営業マンも中にはいらっしゃいました。施主側と入居者側の両方の視点から考えることは計画の質を向上させ、リスクを減らします。

 

一方で、デメリットも囁かれます。

フロアが複数にまたがり、階段を遮る建具等がない場合は空調効率が悪くなりがちです。生活動線が階段経由で長くなりますので、家の広さを感じられる反面、家事効率が懸念されます。入居時とは家族構成が次第に変化し、妊婦や幼い子供にとって階段が障害となることで引越しの要因となったり、長期入居の妨げになったりすることが否めません。

階段や踊り場といったワンフロア住戸には生じないスペースが専有面積に含まれる分、入居者にとっては原状回復の対象範囲に含まれることになります。入居時はイメージ良く階段をギャラリーに見立て物を飾っていたはずが、いつの間にやら足の踏み場を脅かすような収納スペースになってしまっていたなんて話も聞かれました。

 

同じ広さの部屋の場合、ワンフロアタイプとメゾネットタイプについて、希望する間取りを調査したデータ※があります。

(2012年集計、回答数1,137世帯、単一回答)

ワンフロアタイプが良い・どちらかといえばワンフロアと回答したのは全体の67.5%

メゾネットタイプが良い・どちらかといえばメゾネットと回答したのは全体の32.5%

 

この結果からは2倍以上の差でワンフロアを希望する声が多いのがわかります。ワンフロアに分があったのは、上下階の音などを気にしないからではなく、上下階の音を軽減する構造であればということが前提として言えるのではないでしょうか。ワンフロアのデメリットと、メゾネットのメリットを比較して、それでもワンフロアを選びたい理由が有るということです。

 

計画の際には、このような入居者の声やニーズを知ることも重要です。

メゾネットタイプがダメという事ではなく、メリットをきちんと活かした作り方をしてアピールできるようにすれば、ワンフロアにはない魅力を生み出すことが出来ます。

このような入居ニーズのご相談は、賃貸管理会社が得意としておりますので、ご計画にお役立てください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

※『入居者ニーズと意識調査2012?2013年』より抜粋。

 

 

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