賃貸経営メールマガジン

“取立て規制法案”廃案について

家賃滞納
2012/1/19
賃貸経営・アパート経営ならヒロ・コーポレーション

皆さまこんにちは。今回は佐々木が担当いたします。

「賃貸住宅における賃借人の居住の安定確保を図るための家賃保証債務保証業の業務の適正化および家賃等の取り立て行為の規制等に関する法律案」いわゆる“追い出し規制法案”と呼ばれている法案は、昨年4月、国会に提出され審議中でしたが、昨年12月9日の臨時国会終了と同時に、継続審議はしないとされ、廃案となりました。

 

これを受け、よかったと安堵の表情を浮かべる方もいれば、非常に残念という方もいます。賃借人の居住安定を図るという点から、この法案が見直され、再び法案の提出となる可能性は充分にあると思います。このことから、この法案が廃案になってなぜ安心するのか、または残念に思うのか、改めてこの法案について述べてみたいと思います。

 

この法案の目的は

?家賃債務業者の業務の適正な運営確保を図る。

?滞納家賃の悪質な取立て行為を排除することにより、賃借人の居住の安定確保を図る。

 

ことです。よってポイントは、

 

?家賃債務保証業の登録制度の創設

?家賃等の弁済履歴のデータベース化

?滞納家賃等の悪質な取立て行為の禁止

 

となります。

 

特に?に関しては、規制の対象が「家賃債務保証業者、賃貸管理会社、賃貸事業者(個人の大家さんを含む)、取立て業者」と広範囲におよんでいます。禁止される行為としては、早朝・深夜の督促、鍵の交換、居住内における賃借人の動産の撤去や処分です。

これらを行うと、悪質な取立て行為とみなされ、その場合、2年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金が科せられます。

 

また、督促においても、「人を威迫し、または人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」は、いかなる手法(訪問、文書貼り付け・送付、電話など)を問わず、禁止されています。悪質な取立てを規制するための法案ではあるのですが、“人を威迫する”の捕らえ方によっては、督促そのものが出来なくなる可能性もありました。

 

普通に「お支払期日を過ぎていますので、早急にお支払下さい。」という内容でも、賃借人にとって「威迫」と感じれば、それは「禁止行為」となってしまうのです。しかも、これらの規制の対象は、業者だけでなく、個人の大家さんにもおよぶため、もしこの法案が成立した場合、「滞納家賃をどのように督促すればよいのか」という不安の声は非常に多かったように思えます。

 

この法案が廃案になったことで、不安を抱いていた大家さんは、ひとまず安堵の表情を浮かべたことでしょう。しかしながら、これでよかったということではないと思います。悪質な取立て行為は、やはり規制するべきだという意見は多々あります。

 

また、この法案のポイント?で表している「賃料弁済履歴のデータベース化」は、賃貸業界において、将来必要になってくると思います。家賃滞納者は常習犯になると、引っ越した先でも滞納トラブルを繰り返します。

 

そういう悪質な賃借人を事前に排除できるように履歴を残すことは、滞納発生の抑止につながると思います。その観点から、この法案が廃案になったのは残念という意見も多いのは事実です。

 

いずれにせよ、この法案は、国会審議の中で指摘のあった内容を見直した上で、再び提出される可能性はあるでしょう。法案については、今後の動向に注目したいと思います。

 

しかしながら、法に頼らずとも、消費者との信頼関係の構築や、賃貸管理業界の健全化の観点から、“悪質な取立てはなくす”などの意識を持ち、自ら改善していく必要はあると思います。

 

お付き合いありがとうございました。

 

 

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