賃貸経営メールマガジン

今までの入居者募集方法が通用しなくなる!?

入居者募集不動産市況マーケティング建築計画
2023/6/1

さて、今回は昨今の賃貸物件の入居者募集方法について触れてまいりたいと思います。
先に申し上げておきたいと思いますが、あまり良いお話ではありません。

 

しかしながら、賃貸経営上その時々の賃貸市場を把握することは非常に大切になってきますので、これを機会に昨今の賃貸市場の動向を捉え、今後の賃貸経営の成功にご活用いただき、今後も弊社のメルマガをご愛顧いただけますと大変嬉しく思います。

 

【仲介手数料0円の手法が多様化‼】

今回お伝えさせていただきたい、昨今増加している賃貸物件の入居者募集方法は[仲介手数料0円]です。
[仲介手数料0円]…
読んで字のごとく、「当社で仲介させてくれたら仲介手数料がかかりませんよ」というビジネスモデルです。

 

街中をふらっと歩いていると不動産屋(仲介業者)さんの店舗前にのぼり旗をよく見かけるかと思います。
「そんなに不動産屋さんののぼり旗なんて注視したことがないよ」という方も大勢おられるかとも思いますが、是非、のぼり旗を見る機会がありましたら気にかけてみてください。

 

不動産屋さんののぼり旗を探していると[仲介手数料0円]や[仲介手数料なし]等と記載のあるのぼり旗を見つけることがあるかと思います。

 

本日時点では、どの不動産屋さんも実施しているわけではありませんので、なかなか見つけられない場合もあるかもしれませんが、仲介業界内では確実に増加し始めているビジネスモデルとなっております。

さて、この[仲介手数料0円]ですが、入居希望者さん側としては非常に魅力のあるキャッチフレーズであることは間違いありません。

 

宅建業法上の承諾を入居希望者さんから得られれば、仲介業者さんは最大1.1ヶ月(税込)分の仲介手数料を頂けることになっておりますが、それを0円(無料)とする…。
しかしながら、ほとんどの仲介業者さんは仲介手数料を売り上げの柱としており、もちろん売り上げをたて利益を出さなければ事業は継続できません。
「どうやって売り上げをたてていくのか」不思議であります。

 

答えは、全ての物件が[仲介手数料0円]なのではなく、特定の物件のみ[仲介手数料0円]で仲介するということです。

 

具体的に特定の物件とは、広告料や業務補助手数料(呼称は様々)等といった名目の費用を「広告宣伝費の一部」や「業務の補助にかかった費用の一部」等として、貸主や管理会社が募集時にあらかじめ物件ごとに一定額を設定し、成約してくれた仲介業者さんへ補填しますという物件です。
つまり、仲介手数料をいただかなくても、これらの物件に限れば売上をだすことが可能ですので、このような手法が成立するということです。
※[仲介手数料0円]サービスを実施している仲介さんが全てこの手法を取っているわけではなく、他にも様々な手法が存在する様ですが、上記手法が最も多いのではないかと推測します。

 

【広告料等の設定がある物件の特徴】

さて、では広告料等の設定のある賃貸募集物件は市場にどの程度あるのか、どのような物件に設定されている傾向があるのかについて触れます。

 

一昔前は、原則として問合せが少ないであろうと予想される物件ばかりに設定されており、設定されている物件はあまり多くない印象でした。
要するに成約しにくい物件に設定されていることが多かったのですが、広告料等の設定は想像以上に成約する効果があり、昨今では問合せが少なくない場合でも空室期間を最小限にするために、より確実に早期成約させる方策として設定される物件が増加してきたように思えます。

 

また、昨今は通常人気が出やすい新築物件でも設定されることがしばしばあります。
ただし、そのような物件は賃料が近隣相場を超えていたり、間取りが使いにくかったり、周辺に嫌悪施設がある等の立地環境が起因しているケースが多いように思います。

 

ただし、新築・中古かかわらず質の良い(立地がよく使いやすい間取り、相場通りの賃料)物件は、まだまだ広告料等の設定がされていない物件はそれなりに存在します。

 

そして、これだと[仲介手数料0円]サービスを実施している仲介さんは広告料等の設定がある物件しか仲介できないことになってしまいます。せっかく、[仲介手数料0円]の仲介業者さんにわざわざ問合せして出向いたのに、広告料等の設定がない質の良い物件は紹介して頂けないケースが続出するはずですが、そのような物件の場合は3割程度の仲介手数料であったり、内見に費やした日数で仲介手数料が決まる仕組み、他様々な仕組みで仲介できる対策を取られているようです。(広告上もしっかりとそのような記載があったりします)
しかしながら、労力に対しての報酬としてはかなり少ない売り上げと言えるでしょう。

 

また、これらの[仲介手数料0円]を提供している仲介業者さんの中には仲介業務で特に重要な内見業務に対応していない(提携業者による内見またはそもそも内見についていかない)、仲介業者さんもあるようです。

 

元来、仲介手数料というものはプロとしての仲介業務を提供し、希望条件に合致した物件提案、トラブルや紛争の抑止に努めたことに対する報酬です。

 

「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、通常より売上・利益が少なくなりやすい手法のサービスですから、人件費その他のかかる経費を少しでも削減しないと成立しにくいビジネスモデルですので、業務労力の削減は一定の理解はできます。

 

ただ、仲介業者さんには物件の内容をよく理解したうえで入居希望者さんへ提案していただき、内見の際には肉眼でお部屋を確認していただきたいと思っております。
内見せずにしっかりとした確実な仲介ができるのだろうかと、この点については貸主や管理会社が不安な点であります。
契約後に「あれもこれも聞いてない」や「こんな内容だと思ってなかった」等のトラブルが少し怖いですので、内見対応がされている[仲介手数料0円]の仲介業者さんが増加していけばいいなと思います。

 

もうひとつ、心配なことはこれらのような[仲介手数料0円]の仲介業者さんが増加しすぎると、広告料等の設定がないと成約しづらいという市場になってしまうかもしれません。
しかしながら、仮にそのような市場になってしまっても、前述のとおり広告料等の設定が無くても成約する良質な物件づくりで戦っていける計画をしていけば良いのですから、あまり悲観的にならず、今まで以上にしっかりとした賃貸計画をしていきましょう。

 

常々、弊社メルマガでもお伝えしていますが、弊社では無料の賃貸建築コンサルティングを実施しており、広告料等を必要としにくい賃貸計画を得意としております。
本記事では全てをお伝えしきれていない面もありますので、ご不明な点等がございましたら、いつでもお問合せ下さい。

 

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