賃貸経営メールマガジン

更新料条項使用差止請求棄却

更新料
2012/3/1
賃貸経営・アパート経営ならヒロ・コーポレーション

皆さんこんにちは。今回は佐々木が担当いたします。
昨年7月15日に更新料有効の最高裁判決が下されてから、他の更新料裁判においても、更新料有効の判決が下されております。その流れを受け、本年1月17日に、京都地方裁判所は、適格消費者団体が起こした「更新料条項使用差止請求」を棄却する判決を下しました。

 

この裁判は、平成22年10月29日に、京都の適格消費者団体が京都地裁に提訴していたものです。提訴当時は、大阪高裁で、更新料無効の判決が相次ぎ、最高裁の判決においても、「更新料は無効となるのでは」というムードが流れていた時期であります。

今回は、「更新料条項使用差止請求」とはどんなものなのか、そして、なぜ棄却されたのか、改めて述べさせていただきたいと思います。
個人消費者が、事業者である貸主を相手取り、更新料の返還請求などを起こすのとは違い、適格消費者団体が原告となり、賃貸管理会社に対し、賃貸借契約の新規締結時若しくは合意更新時に、更新料に関する条項の使用を差し止めるのがこの「更新料条項使用差止請求」です。

 

更新料条項の使用を差し止めることによって、更新料そのものを賃貸借契約から無くそうとするのが目的です。適格消費者団体が「更新料条項使用差止請求」を提訴しているのは、現在のところ2件あります。

1つは、今回棄却された事案です。内容は以下のとおりです。
原告;京都消費者ネットワーク

被告;株式会社ジェイ・エス・ビー
請求内容

?建物賃貸借契約の締結若しくは合意更新の際に、いかなる更新料条項も使用してはならない。

?上記が認められないとしても、1年更新で月額賃料の2倍以上の更新料条項を使用してはならない。

 

?において、原告は、最高裁の更新料有効判決において、更新料の額が高額すぎるなど特段の事情が存在する場合は更新料条項が無効になる場合があると認めていることから、それを理由として、消費者保護の観点から、更新料条項すべての差止が認められるべきと主張していましたが、判決は、一部に無効な場合があるがために、その全部の使用を差し止めたら、無効とならない場合も含め、すべてにおいて条項の使用が出来なくなるため、明らかに不合理であるとして、その主張を退けました。

また、?においても、そもそも更新料の額が高額すぎるか否かの判断は、その根拠となる事情は多様で、任用するべき範囲を特定できないとし、この条項が直ちに特段の事情に該当して、消費者契約法第10条に違反して無効であるとは認められないとしています。よって、原告の請求は全面的に棄却されたことになります。

 

もう1件は、東京地裁に別の消費者団体が、賃貸管理会社に対し、賃貸借契約に関する条項の差止請求を提訴しております。こちらは、更新料条項だけでなく、原状回復などに関する条項と合わせての差止請求となっています。判決はまだ下されておりませんが、少なくとも、現状から、更新料に関する条項の差し止めについては、棄却されるでしょう。

 

京都地裁の事案については、原告が不服として、1月24日に大阪高裁に控訴しております。その後の経過については、またこの場で述べたいと思います。

 

お付き合いありがとうございました。

 

 

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