賃貸経営メールマガジン

退去後リフォームの修繕項目とは

リフォーム・リノベーション
2021/10/28

賃貸住宅の退室時のリフォームというと、見積書の金額が大きな壁紙や床材の交換、設備交換、室内清掃などに目が行きがちですが、細かい修繕をきちんとすることは賃貸経営にとってはとても大切で、入居率や顧客満足にも差がついてきます。
リフォーム発注時に見落としたり、削ったりしがちですが、やっておくと効果が高い修繕項目について今回は解説していきます。
 

■汚れ&黄ばみは嫌がる原因
 
人が生活すればお部屋は汚れていきますが、自分のつけた汚れは気にならなくても、全く知らない他人が付けた汚れは気になるもの。入居者募集中のお部屋にせっかくご案内が入っても、細部の汚れが取れていないことで申し込みに至らないことも少なからずございます。
 
特に水回りの汚れは大切で、キッチンのガスレンジの五徳の汚れ、魚焼きグリルの内部の汚れ、キッチンや洗面台のコーキングのカビによる黒ずみ、浴室の鏡や水栓金具のうろこ状に固まった水垢、便器の底の黄ばみや黒ずみなどが見落としがちです。
 
あまりに汚れがひどい場合は通常の室内清掃では落とせず、部分的に特別清掃を追加依頼することが必要な場合もあります。これは自分自身が掃除することを想像してみれば「手間と時間と洗剤や道具が違うので、通常金額では受けられない」という清掃業者側の事情が理解できるかと思います。
 
また、清掃業者でも落とせないカビや汚れも存在します。例えばコーキングのカビが取れない場合は、掃除を依頼してカビが残ってしまうより、初めから打ち替えを依頼すべきです。
スイッチやコンセントのプレートなどが経年劣化等で黄ばんでしまうと、壁紙を貼りかえると余計に目立ってしまう場合があります。これは清掃で白くするのは難しいため、どこかのタイミングで思い切って交換するのがおすすめです。
 
■消耗品の交換
 
小さな部品は費用対効果を考えると、都度交換するのがおすすめです。
キッチンのシンクのゴミ受けかご、排水口の菊割れゴム、浴室や洗面所のゴム栓などは劣化しやすく、食べ物を扱う場所なので少しの汚れや劣化も気になります。価格も安いので毎回交換すべきところですし、キッチンや浴室、洗面台などの水栓のパッキンも、退去ごとに交換するのが良いでしょう。入居募集中に劣化が進み、ご案内時に蛇口から水を出した時にちょろちょろと水漏れすると、住みたいと思う気持ちに水を差すことになってしまいます。
 
ガスコンロやエアコンのリモコン、トイレの洗浄のリモコンの電池交換も意外な盲点です。頻繁に交換するものではないので動作しなくなった際に故障と勘違いされやすく、ガスコンロが着火しない、エアコンが作動しない、トイレのリモコンが壊れたなどのクレームに繋がりがちです。いつ切れるか予測しにくいので、顧客満足の観点からもまとめて交換することをお勧めします。
 
■気になる箇所を少なくする。
 
機能上は問題なくても、気になる箇所を無くしておくことも効果があります。
 
例えば古い物件に良く使われているエアコンの配管の粘土が埃で黒ずんでいたり、窓シャッターの紐が黒く汚れていたりするのは意外と気になります。交換する手間も費用も安価なので、交換するべき箇所の一つです。
 
扉の開け閉めの時にきしみ音が出たり、引き戸、網戸、サッシなどの建付が悪く開閉時にガタガタしたりするのも気になるものです。両開きの扉の左右の高さなどがずれているのも見た時に気になります。きしみ音はシリコンスプレーなどで簡単に直る場合もありますが、蝶番の調整や、建具自体の調整はそれなりの技術が必要ですので、退去後リフォーム時に一緒に直してもらうのが合理的かと思います。
 
これまであげてきた修繕項目はリフォーム費用をなるべく安くしたい場合には削除されがちな項目ですが、やらないと入居者が入るチャンスを逃し、入居後の対応で余分な出張費がかかり、入居者の満足度も下がってしまうという問題が生じる可能性があります。
 
費用はどれも安く、費用対効果が高いので、退去後のリフォーム時に行うことをぜひ検討してみてください。
 

最後までお読みいただきありがとうございました。
城東支店 アンサー事業部
原田 雅章

PICK UP
全カテゴリー注目NO1

RECOMMEND
オススメ記事

TOP