コロナ下で急増した設備ランキングが発表されました‼(前編)
10月に入り新型コロナウィルス感染者数がようやく落ち着いてきました。正確なデータがとれているのか真偽はわかりませんが、この不況が打開されるのであれば、もう何でもいいと思ってしまうほど、これ以上の経済疲弊を食い止めてほしいところです。
さて、先月の全国賃貸住宅新聞にこのような記事がありました。
『入居者に人気の設備ランキング~コロナ下急増編~』という記事ですが、新型コロナウィルスの流行蔓延から2年近く経ち、データが蓄積され遂にこのような知りたい情報が出てまいりました。
そして、賃貸経営をされているオーナー様にとっては、とても興味深いランキングなのではないかと思います。
下記にランキングの結果を記載させていただきます。
【コロナ下でニーズが増えた設備】
第一位 インターネット無料
第二位 高速インターネット
第三位 宅配ボックス
第四位 テレビモニター付きインターホン
第五位 遮音性の高い窓
第六位 BS・CSアンテナ
第七位 浴室換気乾燥機
第八位 エントランスのオートロック
第九位 防犯カメラ
第九位 24時間利用可能ごみ置き場
(第九位は同率)
※同紙アンケート取材のとおり
との結果が出たようです。
おおむね弊社での感覚とリンクしており、腑に落ちるランキングとなっております。
第三位~第四位、第六位~第九位まではなんとなく感じますのは『人との接触を避けられる設備』または『外部の人の出入りの認知ができる設備』といった面があるのでしょうか。
コロナ下では「らしい」結果となりました。
ただ、同率九位の24時間利用可能ごみ置き場以外は、昨今では標準の設備となってきているので、コロナ対策を考えなくとも通常『いまどき備わっている設備』といったものではないかなと思えますので、今回のランキングではあまり着目しなくともよろしいかと考えます。
したがいまして、第一位・第二位に着目して考察してみます。
(第五位については後編にて後日考察する予定です)
【第一位 インターネット無料・第二位 高速インターネット】
同ジャンルのものが第一位・第二位となっておりましたので、まとめて考察いたします。こちらのインターネット無料は、最近ではながらく人気設備ランキングの第一位を立て続けに獲得している設備になります。対して、高速インターネットは「今までの人気設備ランキングには浮上するほど人気ではなかった」もしくは「同ジャンルにつき需要はあったのですが注目されていなかった」可能性があります。
現在、市場に出回っており賃貸物件に導入されています無料インターネットサービスのほとんどが通信速度規格最大1Gbps程度となっております。
※最大速度であり、常時の速度ではありません。
そして、NTTの光回線を基にしているものがほとんどでありますので、速度が遅いということはないとは思うのですが、一つ懸念されることがあります。
それは、1Gbpsの速度が建物全部(全部屋)で使える速度ということです。
例えば、全5戸の賃貸物件があったとしまして、全部屋が同じ使用方法かつ同時間帯に使用したとします。1戸あたりの速度をわかりやすく単純計算で例えますと、
1Gbps(1000Mbps)÷ 5戸 = 戸あたり200Mbpsの速度
対して、全10戸の賃貸物件の上記と同条件の使用をした場合の1戸あたりの速度は、
1Gbps(1000Mbps)÷ 10戸 = 戸あたり100Mbpsの速度
となります。
あくまでも理論上ですが、戸数が多ければ多いほど戸あたりの速度が遅くなってしまう可能性があります。
リモートワークや学生さんの場合はリモート授業の増加が進み、賃貸物件内では大きな重いデータの送受信等のやり取りの増加や外出自粛で動画視聴やオンラインゲームの需要が伸びたこと、かつそれらの使用方法を同時間帯に行われることが増えてきたということが考えられ、速度不足が生じてきているのかもしれません。
そのようなカタチでインターネット無料と同ジャンルにもかかわらず、別で高速インターネットがランクインしたのだと考えられます。
しかしながら、現在のところ高速インターネットを無料サービスへと現実的にするには、あまり方法がないように思います。(イニシャル及びランニングコストが高すぎるため)
では、そこで一番良い方法は何かということですが、人気設備ランキングの第一位であるインターネット無料(速度1Gbps)は継続して弊社からはお勧めいたします。
そして、高速インターネットはオーナー様が負担するランニングコストとしては、あまりにも収支に著しい影響を及ぼしかねませんので、入居者さん独自で個別でご契約して引いていただくこととするのがよろしいかと考えております。
ただし、建物内の回線を通す配管がそれなりの太さがありませんと、入居者さんが高速インターネットを導入する際に回線を引くスペースが物理的にないということにはならないように、新築ご計画時の回線を引く空配管については可能な限り太いものを導入していただくことをお勧めいたします。
(既存物件では配管がいっぱいで新たな回線導入ができないという事例があります)
後日、後編として第五位に触れてまいりたいと思いますが、その時点でコロナが完全に収束していれば、記事として触れないつもりです。
そのことを願い過ごしていきたいものです。
本社 アンサー事業部
夏 啓安