賃貸経営メールマガジン

「高すぎる」も「安すぎる」も注意!!

投資サブリース建築計画
2023/4/13

昨今、賃貸経営における最大のリスクと言われる空室リスクを防ぐサブリース商品では、賃貸オーナー様方に不安を抱かせるようなことが発生しております。

 

例えば、賃料の見直し期限が到来していないにも関わらず、サブリース会社から賃料の減額を求められたりと、遂には2020年12月15日より「賃貸住宅の管理業務などの適正化に関する法律」が施行され、サブリース契約事業に関する規制が追加されました。
いわゆる【サブリース新法】です。

 

この【サブリース新法】施行後、サブリース契約には今まで被害に遭われた貸主である所有者を保護するというよりも、主に一般的に弱者とされる借主を保護することを目的とした借地借家法が適用されるようなカタチとなりました。

 

しかしながら、サブリース会社は一般的な借主とは異なります。いわゆるプロに近い会社がほとんどでしょう。

 

そのプロであるサブリース会社を保護するという、なんとも違和感を禁じ得ない内容となっているようにも思えますが、しっかりと事前に借地借家法の説明を義務付けることでトラブルを無くそうという内容となっております。

 

それでもサブリース会社が毎月しっかりと賃料を入金してくれれば、まだ御の字であると思わせるような事態が発生しました。
それは、一部紙面でも報道されておりますが、「サブリース会社からの賃料未納問題」です。

 

最近では、サブリース会社の賃料未払いかつ音信不通を理由として、弊社へ管理会社変更をされるオーナー様が実際にいらっしゃいました。
サブリース契約を望むオーナー様はサブリース会社が借上げることで、空室期間も賃料収入が得られるという安心感を買っているようなものです。

 

しかしながら、サブリース会社からの賃料が未納とは本末転倒であります。まったくもってオーナー様の目的の達成とは程遠い状況になります。
主にどのようなことが起因し、このような事が起こるのでしょうか?

 

わかりやすいように少し大げさに表現いたします。

 

例えば、

〇〇駅 徒歩10分圏内
25㎡の1Kタイプの単身投資用賃貸マンション

の場合、

仮に周辺相場が100,000円前後でもあるにもかかわらず、「査定賃料120,000円・借上率90%の108,000円の賃料で借上げますよ」というサブリース会社と契約をしたとします。

もちろん、20,000円も高い賃料で入居者を成約させることは至難の業です。

 

皆様がお部屋探しをされているとして、お探しのエリアでご希望のお部屋を賃料100,000円で見つけたとします。
そこでもう一つ、全ての条件が似たような同等のお部屋があり、賃料が120,000円だったとします。
どちらを借りますか?

 

どんな神業的な営業トークを使えば、120,000円のお部屋の方を成約させられるのでしょう?私の能力が低いのかもしれませんが、非常に難しく思います。

 

これを延々と繰り返していくことで長期空室になります。
そして、取れる対策はというと安直かもしれませんが、現実的に「賃料を下げる」という方策です。

 

そして、相場賃料の100,000円に下げ、なんとか成約させた場合、サブリース会社は入居者から毎月100,000円の賃料しか入ってこないにもかかわらず、オーナー様には108,000円を毎月送金しなければならない事には変わりありませんので、逆ざやとなります。
サブリース会社も利益を出さなければ、存続はできません。

 

いつまでもこのような事態を継続しては、会社自体の存続が危ぶまれ手を打ちます。
それは、オーナー様とのサブリース契約賃料の減額交渉になります。

 

しかしながら、その減額交渉も不調に終わりサブリース会社の経済的体力が保てなくなった時、あるいは経済的体力が残っていても逃げられてしまう等して、サブリース会社からオーナー様への賃料未払いが発生していくのであろうと思われます。

 

さて、サブリース会社もそんな危険を冒して、なぜ相場を逸脱した賃料のサブリース契約を提示するのでしょうか?

それは、賃料がたくさん入ると思わせれば、比較的簡単にオーナー様からサブリース契約して頂けるからです。
でも、前述のとおり逆ざやになって非常にリスクがあります。

 

どういった場合に、このような相場を逸脱したサブリース契約の提案があるかというと、利回りやキャッシュフローを良く見せるために、賃貸物件の販売や建築とセットで提案されることが多いように思えます。
「かぼちゃの馬車」も同様な手法であったと思います。

 

賃料というものは、いくら付加価値をつけても賃料の上限の天井・限界値が必ずあります。
サブリース契約において賃料が「高すぎる」は非常に危険な場合があるのです。

 

そして、次に「安すぎる」に少しだけ触れさせて頂きます。
賃貸物件の建築のお話になります。

 

弊社メルマガでも建築費高騰のお話は何度かさせて頂いております。
このような状況下で賃貸建築を検討される方々においては、当然ながら、いかに安い施工会社さんがないか模索されていることでしょう。

 

こちらも一部紙面でも出ておりましたが、収益不動産の建築を行っていた某施工会社が経営破綻し、破産手続きを開始したとのことでした。
実際に、その某施工会社の破産手続き後、弊社にもその某社の建築確認後の施工前、施工途中の案件のご相談が入ってきております。

 

報道によると、もともと薄利でほぼ原価に近い受注のとり方をしていたとのことです。
その経営破綻した某社に入金した建築費用等は破産債権となるため、全てを取り戻すことは非常に難しいようです。

 

賃貸経営・計画において、確かに「いかに安くいいものを建て」「いかに高く貸すか」がカギです。
しかしながら、建築費においてもある程度の相場があります。

 

異常に安い建築費はその施工会社の企業努力でもありますが、過度なものでもある場合があります。
安く建て高く貸すことが実現できれば素晴らしいことではありますが、そんなに都合の良い材料は滅多に揃いません。建てるも貸すも常に相場を意識して頂きたいと思います。

 

弊社は皆様のご計画が安全であるかのご相談をいつでも承っております。
「提案されている建築費が安すぎるかな?高すぎるかな?」や「提案されている賃料が高すぎるかな?安すぎるかな?」と思われたら、お気軽にご連絡ください。

 

本店 アンサー事業部
夏 啓安

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