賃貸経営メールマガジン

改正空家対策特措法施行でどう変わる?建替えがしやすくなる?

不動産市況地域建築計画トレンド
2024/1/18

皆様、こんにちは。

本日は夏(ナツ)が担当します。

 

 

今回は昨年12月に施行されました改正空家対策特措法についてご紹介いたします。

 

重大な社会問題となっている悪影響を及ぼす空家問題に対し、2015年に議員立法にて空家対策特措法が成立しました。

 

しかしながら、国土交通省によると空家問題の根本的解決を図る代執行に関しまして、実際に行われた件数は、令和2年3月31日時点で行政代執行が69件、略式代執行が191件と合計260件に留まっておりました。

 

その他の悪影響を及ぼす特定空家等はというと、ほとんどが助言や指導に留まっており、あまり進んでいない状況でありました。

 

正直、行政が所有者に代わり措置をする代執行がメインの解決方法であると、限界がありそうだなとは感じておりましたが、国も本格的に解決に向け内閣立法で改正空家対策特措法を6月に公布しました。

 

改正のポイントはここでは4挙げさせて頂きます。

①管理不全空家の新設

②空家等管理活用支援法人の指定

③緊急代執行の新設

④空家等活用促進区域の新設

 

それぞれ簡単に説明していきます。

 

①管理不全空家

倒壊の危険性や衛生上の悪影響を及ぼす「特定空家」まではいかない程度ではあるが、管理不十分が継続されると「特定空家」になってしまう恐れがある空家で行政代執行はされないが、固定資産税の住宅用地特例が解除がされる。

 

②空家等管理活用支援法人の指定

市区町村長がNPO法人等を指定し、指定された者が相談窓口となり、所有者に対して管理や活用方法等の情報提供を行う。

 

③緊急代執行

緊急時というのは読んで字のごとくではありますが、さらに所有者への命令等を経て行う通常の代執行とは異なり、所有者への命令等を経ずに代執行ができる新制度です。代執行費用の徴収は通常の代執行と変わらず、

告知・督促(請求)⇒財産差押え⇒公売等で換価

という流れになり、徴収の円滑化を図っております。

 

④空家等活用促進区域

今回もっとも期待している改正ポイントなのですが、区域指定がされますと前面道路幅員4mの接道規制や各用途地域で制限されている条件が緩和される用途変更、市街化調整区域の用途変更許可等、建替えを断念して問題を解消できなかった空家への効果が期待されます。が、なかなか区域指定が進まない可能性もありますので、各行政の検討や動向を注視してみたいと思います。

 

今回の改正で劇的に空家問題が解消されていけばよいのですが、現状の改正法の周知がなされ効果が表れるには、さらに誘導に繋がるガイドラインの制定等も必要になってくるでしょう。

もしかしたら、さらに建替えがしやすくなる省令もでてくるかもしれませんので、建替えが難しい空家でお困りの方が大変多くいらっしゃるとも思いますが、今後、建替えが有効な解消手段となっていく傾向であるといえる流れになってきているのではないでしょうか。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

本社 アンサー事業部
夏啓安

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