『既存不適格建築物』について＆オーナー様向け！賃貸経営セミナーのご案内
皆様は、『既存不適格建築物』という言葉をご存じでしょうか。
読んで字のごとく、既存の建築物が現在の基準を満たさなくなった建築物のことを指します。既存不適格建築物となる理由は、大きく分けて下記4つあります。
・耐震基準の変更
・建築物の高さ制限の導入や強化
・建蔽率や容積率の見直し
・接道義務の基準変更
また、既存不適格建築物と違法建築物は全く別のものとなります。違法建築物は、建築当初あるいは増改築時に法令を違反した建築物のことを指します。
今回は、既存不適格建築物のリスクやどのような対応を行うべきなのか紹介していきたいと思います。
1.建替えが不可能な場合がある
既存不適格建築物は先程記載させていただいた通り、現在の建築基準法を満たせなくなってしまった建築物となります。そのため建築当時(着工時)は、建築基準法やその他の法令や条例に適合していたものの、その後の法改正やその他の条例改定において基準を満たせなくなってしまい、建替えが難しくなってしまいました。
例えば、建築当初に建蔽率70％が認められた地域に、敷地100㎡の建築面積70㎡の住宅が建てられているとします。その後の法改正により、建蔽率が60％に引き下げられた場合、建替えの際は建築面積を60㎡以内に抑えなければなりません。そのため、同様の大きさの住宅を建てることはできません。建替えを検討する場合には、現在の建築基準法やその他法令や条例に適合させた建築物を建てる必要があります。
2.耐震面での不安
「旧耐震基準」で建築された建築物は「新耐震基準」を満たしていないため、安全面で不安が残ります。1981年(昭和56年)6月以前の建築物は、旧耐震基準に基づいた設計が行われており、現在の新耐震基準と大きく異なります。旧耐震基準の建築物は、大規模な地震が起きた際に安全面が不十分となり、耐震面で不安が生じます。
既存不適格建築物は、旧耐震基準で建築された建築物が多く、構造上のリスクが多く潜んでいます。
3.売却に滞りが生じてしまう
既存不適格建築物であるために売却ができないということはありません。しかしながら、売却する際に買手から見た場合、デメリットとなるケースが多く見られます。例えば、先程記載した耐震面と建替えに制限があることや増改築にも制限がかかります。また、将来的な活用に支障が起こり得る点も買手にとって大きな懸念点となります。そのため、通常の物件と比較した時に需要が限られ、なかなか買手が見つからないケースも珍しくありません。また、売却が行われた場合においても、同間取り・同面積・同築年数の物件と比較した際に、相場より売却価格が安くなる傾向があります。
上記のリスクから対応できる方法としては、リフォームで対応できる場合もあります。特に、耐震面で不安がある場合は耐震補強工事を行うことで、現在の新耐震基準に近いレベルまで耐震性能を引き上げることができます。また、適正な耐震補強工事を行うことで、一定の基準を満たすと「耐震適合証明書」の発行が可能となり、住宅ローン控除や登録免許税の軽減といった税制優遇の対象となる場合もあります。
既存不適格建築物でもリフォームによって、実質的な安全面を保ちつつ資産価値を向上させることが可能となります。リフォームして賃貸物件として運用することも可能です。
弊社では、その都度最適なご提案を行っております。既存不適格建築物にかかわらず賃貸に関することでお困りでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
営業統括本部 開発営業部
青木 智暉
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