賃貸経営におけるエアコンの買い替えタイミングとその重要性

今夏も昨年以上に記録的な暑さが続き、生活への影響も大きなものとなり、体調管理も一層の注意が求められる猛暑でしたが、その影響から空調設備の重要性はますます高まっています。特にエアコンは、入居者の快適性と満足度を左右する基本設備として、賃貸物件の価値を維持・向上させるために欠かせない存在です。
今回は、エアコンの寿命管理と最適な買い替えタイミングについて、解説いたします。賃貸経営の安定化と入居者満足度向上のために、ぜひご参考ください。
■ 入居者ニーズの変化と設備の重要性
近年の酷暑の影響もあり、入居希望者の間では「室内環境の快適性」を重視する傾向が顕著になっております。特に1LDK以上の間取りにおいては、全居室にエアコンが設置されているか否かが、内見時の確認事項として重視されるケースが増加しております。
古い機種や機能不良のまま設置されている状態では、選定段階で敬遠される可能性も高く、入居率や成約スピードに影響を及ぼしかねません。
■ 設備投資は「コスト」ではなく「資産価値向上」
エアコンが未設置、あるいは経年劣化による動作不良などが見受けられる場合、入居希望者様からの評価は下がり、結果として空室期間の長期化を招くリスクが生じます。
こうした背景を踏まえると、エアコンの導入・更新は、単なるコストではなく、
「物件の競争力を高め、長期的な安定経営に資する投資」であると位置づけるべきでしょう。
■ エアコンの寿命と、買い替えを検討すべきサイン
一般的に、家庭用エアコンの寿命は約10年とされておりますが、設置環境や使用頻度により多少前後いたします。以下のような症状が見られる場合は、早期の交換をご検討ください。
• 冷暖房の効きが悪くなった
• 異音や異臭が発生している
• 水漏れや結露が見られる
• 製造から10年以上経過しており、修理部品の供給が終了している
■ 買い替えの最適なタイミング
1. 空室期間中(特に繁忙期前)
入居中のトラブルを未然に防ぐため、退去後の原状回復工事やリフォームの際に状態確認と交換を実施するのが最も効率的です。
2. 夏季直前(4月~6月)
7~8月の工事繁忙期を避け、比較的余裕のある春先に手配を進めることで、
施工の遅延リスクや費用高騰の回避につながります。
■まとめ
賃貸住宅におけるエアコンは、今や「付いていて当然」とされる標準設備ですが、
近年の気候変動により、その性能や配置、台数の適正性が、入居希望者の物件選定において大きな影響を持つようになっております。
適切な時期に必要な更新を行うことで、
・入居者満足度の向上
・空室リスクの回避
・クレームや設備トラブルの予防
・物件全体の資産価値維持といった複数のメリットが見込めます。
また、2020年4月1日に改正された民法により、賃貸物件でエアコンなどの設備が故障した場合のルールが明確になりました。エアコンが故障した(経年劣化や自然故障の借主に責任が無い場合)は、原則オーナー様が修理を行わなければならず、修理が完了するまでの間、エアコンが使えなかった日数に応じて賃料が減額されます。
減額される金額は、その期間の賃料の約10%程度が一般的な目安となっております。
このことから、トラブルが発生した場合はエアコンの状態に合わせ、速やかにメンテナンスや交換を行うことが重要になってきます。
この機会に、ぜひご所有物件のエアコン設備状況を今一度ご確認いただき、必要に応じたご対応を前向きにご検討していただくことをお勧めいたします。
設備更新に関する個別のご相談や、一括見積もりのご要望も随時承っております。お気軽にお問い合わせください。
今後とも、賃貸経営のご発展を全力でサポートさせていただきます。
城東支店 開発営業部
原田 雅章