コンセプト型賃貸物件を建築する際に気を付けたいこと
このメールマガジンをお読みいただいている方の中には、既存物件を建て替えて賃貸経営を始めたい、空地を有効活用して賃貸経営を始めたい。
そんな思いをお持ちなのではないでしょうか?
新しく賃貸計画を進めていく際には、事前に計画地によってどんな層をターゲットにした賃貸物件を作っていくのか構想を練るかと思います。
実際に弊社へ建築のご相談をいただいた際にも、計画地の特性からどんなターゲットに向けた設備や間取り・建物を作れば有効的なのかを調査し、ご提案をさせていただいております。
駅からの距離があり高速道路に近い場合はガレージハウスを作ってみたり、ペット需要が高そうなエリアであればペットに特化した設備などを導入してみたりと、何かコンセプトを持った賃貸物件の計画をしてみるのも競合物件との差別化にもなります。
色々なコンセプトが考えられる中で、今回は大学や専門学校などの教育施設の周辺に土地を持っている方の頭に、一度は浮かび上がるであろう“学生をターゲットにした賃貸物件”についてお話させていただきます。
学生をターゲットにした賃貸物件とは、その名の通り「学生の入居を想定した賃貸物件」となります。大学や専門学校に通う学生の中には、親元を離れ一人暮らしをする方や通学時間短縮の為に、学校の近くで一人暮らしをする学生もいます。
社会人の方が住む場合は、いつ転勤や異動によって退去となるのか読みづらいですが、大学や専門学校の場合は、入学時期や卒業時期はほぼ同じである為、入居・退去のタイミングは他の物件に比べ非常に掴みやすいと言えます。
一見すると安定した賃貸経営が行えるのではないかと想像できますが、幾つかのリスクを念頭に置かないと、真反対の状況に陥ってしまう可能性もあります。
ではその幾つかのリスクとは何なのか。
① 競合物件が多くなるリスク
同じように教育施設の周りに土地を持っている方のほとんどは、学生が頭に浮かびます。そして建築会社などからも「学生をターゲットにした賃貸物件であれば安定した賃貸経営が可能です。」といった言葉をかけてくるのではないかと思います。同じような思考を持った人が多くいれば勿論、似たような物件が多くなりますので、自然と競合物件が多くなります。
② 学校やキャンパスの移転・統廃合のリスク
学生をターゲットにした賃貸物件は、周辺に大学や専門学校などの教育施設がある場合に上手く経営が成り立つものですので、教育施設に大きく依存してしまいます。学校やキャンパスが学校事情で移転してしまう場合や少子化の影響で学生が減少したことによる、学校・学部の統廃合が起き、計画地の周辺に教育施設が無くなる可能性も少なからず考えられます。もしそうなってしまった場合、学生からの需要は減ってしまう為、入居者が決まらず空室が増え経営に大打撃を受けてしまいます。
③ 卒業と同時に複数の部屋で空きが出るリスク
先程、大学や専門学校の場合は入学時期や卒業時期がほぼ同じである為、入居・退去のタイミングが他の物件に比べて掴みやすいとお伝えしましたが、逆を返すと卒業する学生が所有物件に多く住んでいる場合は、卒業と同時に多くの部屋が空室となります。例えば10室中8部屋に卒業する予定の学生が住んでいる場合は、卒業のタイミングである3月に80%も空室となってしまいます。
3月と言えば、世間一般的に賃貸市場の繁忙期と呼ばれる時期ですので、すぐ次の入居者が決まるだろうと考えられますが、退去してから原状回復工事が入りますので、お部屋の使用状況によっては工事に時間を要し、新生活に向けて入居したいタイミング(3月末など)に間に合わない可能性があります。
そうなってしまうと、学生を取り囲むのにベストのタイミングを逃してしまい、最悪の場合は翌年の入学のタイミングを待たなくてはいけなくなります。
上記のリスクを見ると学生をターゲットにした賃貸計画は、避けた方が無難と思われる方が多くいらっしゃるかと思います。ただ、せっかく教育施設の周りに土地を持っているのであれば、リスクだけを見て計画をやめてしまうのは勿体ないですので、下記のポイントに注意して計画を進めてみて下さい。
■競合物件との差別化を図る
差別化については皆様の頭に思い浮かぶと思います。
では、どんな差別化が一番良いのか。差別化で一番効果的なのは、家賃を競合物件よりも低く設定することです。しかし、家賃を低く設定するということは経営面に大きく関わってくる為、あまり現実的ではないかと思いますので、今回は設備面での差別化についてご紹介致します。
学生向け賃貸住宅では、“セキュリティー面”を充実させることを強くお勧めします。社会人の一人暮らしの場合は、自分で好きな物件を選択する方がほとんどですが、学生の場合は親元を離れ一人暮らしをする為、少なからず親の意見もお部屋選びに反映されます。特に女性の一人暮らしの場合、1階のお部屋・オートロックや防犯カメラがない・シャッターが無い物件は避ける傾向にあります。そうなるとターゲットは男性のみになってしまいますので、女性でも住める環境を作ることが必須になります。
必ず1階のお部屋にはシャッターをつける、人目につきづらい位置に窓を配置しない、オートロックや防犯カメラ(可能であれば複数台)、モニター付きインターホンの設置などセキュリティー面を重視した計画にしていくと差別化が図れると思います。
■学生以外の入居者もターゲットとする
先程もお伝えした通り、学生に依存してしまうと時期を逃すことや、学校やキャンパスの統合により、学生の数が減ってしまうと長期空室になる可能性がありますので、単身の社会人もターゲットとして計画を進めれば、長期空室のリスクは減らせます。
例えば、家具家電付きにすれば転勤者や新社会人にとって魅力的に感じる可能性もあります。また、ペット需要が見込めそうなエリアであればペット可物件にするのも一つの策として考えられます(※ペットを飼える環境にする為に施工費用が上がる可能性はあります)。
上記で挙げた2点を念頭に置きながら計画を進めていけば、大きなリスクを回避しながら賃貸経営を行っていけるのではないかと思います。
もし、学生向けの賃貸住宅など何かコンセプトを持った賃貸住宅を建てたいという方は是非、弊社にご相談下さい。
計画地に適したご提案をさせていただきます。
城東支店 開発営業部
大野 駿太
































































































































































