不動産融資過剰の実態と本質
皆さんこんにちは。
本日は夏(ナツ)が担当します。
先月の3月26日に日経新聞にて『アパート融資、異形の膨張 16年3.7兆円 新税制で過熱』という賃貸経営をされている方々にとって非常に刺激的な記事が一面トップに掲載されました。
最近はこの種の記事が各紙面に掲載されているのを散見されましたので、日々、賃貸アパートやマンションの需要調査に関わる者として、その実態と本質について触れさせていただきたいと思います。
昨年の1月にマイナス金利の導入で金融機関は多くの資金を市場に出さなくてはならなくなるのですが、その時にはすでに相続税改正で相続税が大衆税となり、賃貸アパートやマンション投資・建築により節税効果が効果的であったため、その多くが不動産市場に流れこむことは目に見えていました。
政府もそういった不動産融資による不動産市場の活発化が景気の下支えとなる面も期待していたところと思います。
このようにして、相続税改正から更にマイナス金利による低金利時代に突入したころから、不動産融資がある程度の増加傾向に向かっていくことは予想されていました。
しかしながら、過剰と言われるまでになったのはなぜでしょうか?
前述の日経新聞の記事であげられているアパート事例・問題点を下記に簡潔に上げさせていただきます。
(1)最寄駅から車から10分程度の立地にアパート建築、徒歩圏内に駅
がなく空室率が高い。
(2)家賃保証のサブリース契約で10年は賃料が変わらない契約であっ
たが6年で減額された。
(3)賃料を1割減らされ、収支悪化により売却。(3,000万円の残債が残
る)
記事に記載されている少ない情報からの推察ですから、言い切ることは難しいですが、どれも私たち賃貸管理会社からすれば、当然そのようになると言わざるを得ないです。
まず、上記(1)については余程の特殊な近隣環境でない限り、ほぼ賃貸需要がないことは明白です。こういった場合は無理に建築に踏み切らずに土地の売却を視野に買替等の資産の組替えが有効的です。
次に(2)について賃貸運営での基本ですが、築年数が経過すれば賃料の下落は当然に起こりえます。
特に賃料の据え置き(変わらない)期間が10年というのは非常に難しいと考えます。
(3)は言うまでもなく、賃料1割の減額で売却するほどの収支計画であったということと、出口戦略がない計画であったということ。収支計画に一定のストレスをかけ計画しなかったのか疑問です。
どれも賃貸運営上の初歩的なところで、そもそもの計画からしてつまづいている感が否めません。
不動産に投資することが間違いなのではなく、これは今まで融資が受けられず不動産投資ができなかった方が投資ができるようになったことで、安易な計画が増加したにすぎません。
そして、相続税対策のためだけに何千万・億単位の負債を背負うのではなく、やはり収支をしっかりと算出しキャッシュフローを確保していただきたく思います。
皆さんが今までされている通り、しっかりとした賃貸需要・税金対策を含めた収支計画及び出口戦略さえあれば記事のような危険性は少ないのではないでしょうか?
各オーナー様も今まさに経営者としての資質が問われているのだと思います。
現在は賃貸需要が良好な物件さえあれば、買いの時期でもありますが、賃貸需要のない土地等を売却し資産の組替えをするする良い機会でもあります。
アベノミクス効果は所得での効果は見えづらいですが、資産価値の上昇等で効果が表れているからです。
■賃貸需要がなければ、買い替える。
■賃貸需要がある物件がなければとにかく待つ。
■良い計画(物件)であればすぐに動く。
この3つが非常に重要です。
※賃貸需要の有無については、ご相談下さい。
『今更言われなくてもわかるよ』ということばかりかもしれませんが、意外なところに知識の穴はあるものだと思います。
そのサポートとして弊社では5・6月も空室対策・税金対策に特化したセミナーを実施し、各オーナー様が可能な限り安全に賃貸運営が実現できますようお手伝いさせていただきます。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。