賃貸経営メールマガジン

老朽アパートにおける家主の責任と免責&無料個別相談会のお知らせ

2016/9/21

こんにちは、今週は清水が担当致します。

 

相次ぐ台風到来により被害を余儀なくされました北日本地域の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。日本各地これだけ地震や台風、豪雨浸水など天災が続くと、住宅への不安意識が高まるのも無理はありません。

今回被害が無かったとしても安全性を見直す機運と捉え、これから起こり得るリスクに対処していきたいですね。

 

さて本題です。老朽アパートがもしこのような天災に遭い倒壊してしまったら、被る人災や損害がどれほど甚大になるか計り知れません。

旧耐震の建物であればなおさら不安視され、中には入居者側から住み続けたい意志をもって耐震化を要望されるケースも聞かれます。

所有者の立場では、近い将来の建て替えが視野にあったり、それなりの費用を捻出するのが現実に難しいなど様々な思いもあるでしょう。

現行法では、耐震における既存不適格建物の耐震化は補助金による促進はありますが、義務にはなっておりません。

 

基本ですが、まず賃貸借契約は賃料を対価とし建物を使用・収益させる事を目的としています。そのため賃貸人は使用・収益に適した修繕を行う義務を負っています。例えば、貸主が修繕義務を怠り腐食を放置したままだった外階段の手すりで入居者が怪我をしてしまったという場合、貸主の債務不履行にあたり損害賠償責任の追求を受ける可能性があります。

 

そこで建物倒壊を心配する貸主が、『地震や老朽化による家屋の倒壊が原因で、入居者の身体生命が害されても、家財が損壊しても、オーナーは責任を負わない』という特約を新たに契約書に加えたいと考えたとき、これが有効であれば万一のリスクもかなり負担軽減することが可能ですが、果たして新たに契約を巻き直して住まわせる場合、実際にこの特約は有効となるのでしょうか。

 

民法には『消費者契約法』という特別法があります。個人の入居者は消費者であると捉え、事業主との間で結ぶ契約(労働者契約は除く)から一方的な不利が生じる場合に保護することを目的とした法です。

貸主が個人であっても、消費者契約法上では不動産収益を行う個人事業主とみなされ、部屋の借主が個人の場合にこの消費者契約法8条(事業者の損害賠償責任を全面免除する特約は無効)の適用があります。よってオーナーが例え相場より家賃を安くし貸していたりしていても、貸主の損害賠償責任を免責とする条項は無効となりますので注意が必要です。

 

ただし、入居者が個人ではなく法人であるときは消費者契約法の適用にあたりませんので、この特約は有効になると考えられます。つまり法人間の賃貸借契約や賃借人が法人である場合、賃借人が個人であっても事業を行うために賃貸借を契約した場合などは、消費者にあたりませんのでこの特約は有効とされます。

 

とは言え、安全な建物による住居や店舗を提供できるのが何より望ましいのですから、貸主と借主双方のリスクをしっかりと考えた上で検討できるに越したことはありません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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