賃貸経営メールマガジン

最高裁判決後の影響2

更新料
2011/12/1
賃貸経営・アパート経営ならヒロ・コーポレーション

1.【最高裁判決後の影響2】

皆さんこんにちは。今回は佐々木が担当いたします。

 

前回、更新料有効判決の影響ということで、貸主が借主に対して、未払い更新料の支払請求や、あるいは、更新料は無効との借主の主張を受け、一度返還してしまった更新料についての再請求の事案が増えていることについて述べさせていただきました。これらについては、係争中であり、判決がどうなるのか注目したいと思いますが、他にどのような影響が生じているのでしょうか。

 

ここ数年、賃貸市場は、全体的に供給量が超過し、大家さんが入居者を選択する時代から、入居者が数ある物件から、住みたい部屋を選択するという“借手市場”に変化してきました。さらに、借り手側が部屋探しをする環境も変化してきました。

 

以前は部屋探しの場合、休日や仕事帰りに不動産屋をまわり、空室物件の情報を収集していました。候補が複数あって、決断しかねていると、すぐ決まってしまい、新たに探しなおすということもしばしばありました。

 

それが現在は、インターネットの普及により、24時間何時でもどこでも部屋探しが可能になった今、ある程度物件を吟味した上で、最終的にその物件を取り扱う不動産屋さんに足を運ぶというパターンが主流となりました。

借り手側が、ゆっくりと自分の都合に合わせて部屋探しがしやすくなったのです。

 

従って、同様の物件が候補にあがったとき、築年数や設備、近隣の商業施設だけでなく、契約にかかる初期費用や、更新料などの費用について比較検討することがしやすくなったのです。情報がたやすく入手できるようになった反面、同様物件間の競争は激化しています。

 

そうなると、貸主側は、空室対策として、入居している借主に少しでも長く住んでいただくために、2年ごとにかかる更新料を軽減するか、無しにするという動きは、数年前から増えてきていました。

 

そこに追い討ちをかけるように、昨年、大阪高裁で更新料は無効の判決が相次ぎました。貸主側は、さらにあらゆる対策をとりました。

更新料を撤廃する動きや、めやす賃料として、更新料や礼金分を賃料に換算した場合の月額賃料を表記することにより、実際に負担することになる費用を借主側に明確にさせる方法もとってきました。

 

しかし、更新料については、本年7月、原則有効との判決が最高裁判所で下され、それ以降、係争中であった同様の事案についても、軒並み更新料は有効との判決が出ました。過去に遡り、取得した更新料については、更新料有効の判決により、借主より返還請求されたとしても、返還しなければならなくなるケースはほとんどないと思います。更新料が原則有効になったことが、将来、更新料取得を容易に出来るようになったという安心感にはつながりません。

 

市場をみてみると、更新料無しと提示していた募集物件の条件を、更新料ありにしている物件は、ほとんど見当たりません。むしろ、空室対策の点から、更新料の減額および無料化は、少しずつ増えているように思えます。

 

初回契約時の礼金や更新時の更新料取得に固執し、空室が長期化するより、毎月きちんと賃料が入ってくるほうが、安定してよいという考えが多くなってきています。新たに賃貸経営をお考えの方も、礼金や更新料取得といった一時金を考慮して事業計画を立てている方は少なくなってきています。

 

このように、更新料有効の判決が出てからの影響は、賃貸市場においては、直ちに「更新料無し⇒更新料あり」の動きはありません。

益々供給過多になっていく賃貸市場、空室対策の点から、借主に選択される条件を考えると、将来的には更新料そのものがなくなるような気がします。

 

ただ、ここ数年の更新料裁判により、更新料について熟考する機会が増え、更新料に頼らない賃貸経営という考え方が増えたことは事実です。

ともあれ、今後、“入居者に選んでもらえる賃貸”にするにはどうするべきか、さらに工夫する必要があると思います。

 

お付き合いありがとうございました。

 

 

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