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緊急地震速報について

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2007/11/22

皆さんこんにちわ和田です。

まずは、先日目にした新聞記事から

首都直下地震で162万世帯が家失う、半年後も27万世帯

首都直下地震が起きた場合、最大で162万世帯が家を失い、半年後も27万世帯以上が住宅を失ったままになるとの試算を中央防災会議が2日発表した。
政府の地震調査委員会は、南関東でマグニチュード(M)7前後の直下型地震が、今後30年以内に70%の確率で起きると予想している。同会議によると、東京湾北部を震源とするM7・3の地震が起きると、最大で162万世帯373万人が家を失う。各自治体などが、被災者のため、半壊住宅の修理や仮設住宅建設を進めたり、民間賃貸住宅を借りたりしても、発生から半年の時点で、135万世帯分しか確保できず、27万世帯64万人分が足りないという。住宅確保が順調に進まなかった場合、より多くの被災者が避難生活を続けるおそれもある。
10月3日読売新聞

と言うことで、今日は、10月1日より一般向けに提供が始まった緊急地震速報システムについて考えてみます。

そもそも緊急地震速報とは、日本の気象庁が中心となって提供している地震情報です。
地震警報システムの1つで、主要動の到達前に速報を行う早期地震警戒システムに分類されます。早期地震警戒システムとしては世界で初めて一般向け供用が行われます。
地震波が2つ以上の地震観測点で観測され、最大震度5弱以上と推定された場合に地震の発生時刻、震源の推定値、震央の地名、震度4以上と推定される地域名の速報を行っています。

その仕組みはというと、地震には、初期微動のP波と呼ばれる小さな揺れ(縦波)と主要動のS波と呼ばれる大きな揺れ(横波)が同時に発生します。P波とS波とは伝搬速度が異なり、P波は毎秒約7km、S波は毎秒約4kmの速さで伝わります。この伝搬速度差を利用して震源に近い地点におけるP波の観測に基づき、後から来るS波の伝播を時系列的に予測し、震源からある程度以上(P波とS波の時間差が充分に開くほど)離れた地点に対してはその到達前に予測を発表することができるのです。

ですが、ここである問題が生まれます。
震源に近い地点では、P波とS波の伝播の時差が少なく、緊急地震速報の前に主要動のS波が到達してしまいます。すなわち震源に近い地点ほど、被害は大きいものですが、緊急地震速報は間に合わないということです。

ではどのような場合に有効なのでしょうか。
例えば、海溝型地震で震源地が比較的離れでいる場合は、緊急地震速報の段階で行動を開始すれば津波の到着前に非難することができます。
どちらにしても配信ネットワークの高速化や予想精度の向上が求められます。

最近の高級分譲マンションでは、この緊急地震速報の受信機が標準装備されている物件も増えてきています。
ですが、今のところ、個人においても法人などにおいても、導入の可否はそれぞれの判断に任せられており、義務化の予定はありません。「緊急地震速報の受信装置の設置が義務化されている」などと偽って機器などを販売する悪質な訪問販売業者も出てきておりますので、注意して下さい。

 

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