賃貸経営メールマガジン

“楽器可物件”は空室対策に有効か?

入居者募集コンセプト物件
2018/6/14

音大生・楽団に加入している人・音楽を仕事としている人が家でも練習するため、そして趣味の1つとして楽器を家でも楽しみたい人など楽器が演奏できる物件の需要は一定数あるものの、賃貸市場においては楽器が演奏できる物件の供給量が少ないのが現状です。

今回は、楽器が演奏できる物件(以下、「楽器可物件」と記載します)について取り上げたいと思います。

(1)種類

楽器可物件といっても種類があり、大きく2つに分けると、

1.建物自体に防音や遮音の処理をし、楽器の演奏ができるようにしたもの(楽器可能物件)

2.建物自体には防音や遮音の処理はしないが、相談の上許可はしているもの(楽器相談物件)

となります。

(2)具体的な違い

・楽器可能物件
建物の壁に石膏ボードを敷き詰め、窓は防音二重サッシにするなどの加工がされています。建物全体だけでなく、部屋の一部を防音室としているものも楽器可能物件に当てはまります。管楽器・ピアノ・弦楽器などの演奏が可能です。

・楽器相談物件
建物自体に特別な加工はせず、演奏可能時間を昼間に限定したり、楽器は電子ピアノ等音が調整できるものに限るなど細かいルール決めなどをしたうえで許可している物件です。趣味程度で楽しむ人にはおすすめです。

(3)メリット・デメリット

1.楽器可能物件

[メリット]
防音処理がされているため音が漏れにくく、演奏できる楽器の幅が広いです。防音室であっても時間の制限をしているところもありますし、防音処理の内容によっては24時間の演奏を可能としている物件もあるようです。また、ターゲットを楽器を演奏する人に限定することにより、音のトラブルは軽減されます。

[デメリット]
施工費が通常よりも高くなります。

2.楽器相談物件

[メリット]
特別な処理はしないため建築費も通常とあまり変わりません。音量調節が可能な楽器・ヘッドホンをつけて演奏するものなら十分楽しめます。

[デメリット]
防音ではないので音が響きやすく、そのためトラブルの原因になりやすいです。そして楽器の制限も多く、時間などのルール決めも細かく行う必要があります。

楽器可物件に変更する場合は、どちらの場合でも、既存の入居者様のご理解が必要です。また、楽器演奏時間の制限など、明確なルールを設定し、トラブルを防ぐ対策を十分に行う必要があります。防音工事をする場合は、物件の構造や周辺環境によっては音が響きやすく楽器可物件には適さないものもあるので、注意が必要です。

自分の家でも楽器を楽しみたい、練習したいという想いから楽器可物件への入居を望む方は、今後も増えていくのではないかと思います。防音対策や一定のルールを設けたうえで楽器可物件に変更して、そのような需要を取り込むのは、空室対策として有効な手段といえるでしょう。

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