賃貸経営メールマガジン

賃貸住宅における光熱費「プロパンガス」導入の注意点ついて

住宅設備
2024/4/25

既に皆様もご存じの通り、昨今の円安や燃料費高騰により、家計の負担増加を実感している人は約9割に昇るというニュースが出ている中、ダイキン工業株式会社の調査によると「電気/ガス/水道」の光熱費を節約したいとの回答が最も多く、値上がりが目立つ食料品を光熱費が超えました。

そこで

今回は皆さんが特に節約したいと思う費用である光熱費、特に(プロパンガス)を賃貸に導入するにあたっての注意点をお話ししていこうと思います。

 

◆プロパン(LP)ガスについて

『プロパンガスとは、LPガスとも呼ばれるもので、液化石油ガス(LPG)の一種です。プロパンとブタンの混合物で通常は気体ですが、家庭で使用する際には液化して運搬、貯蔵されます。屋外に設置された設備にボンベを接続し、使用する時にはガス状態に変化させます。空気より重いという特徴から、ガス感知器は床から30cm以内に設置することになっています。』

 

◆都市ガスにはないプロパンガスにあるメリット

プロパンガスは、都市ガスよりも2倍以上、燃焼時の発熱量が高いのが特徴。そのため、火力が強く料理をしたい入居者にはメリットとなります。

また、プロパンガスはボンベに入れて供給されるため、地震などの災害時の復旧が早いというメリットがあります。都市ガスの場合は、災害によってガス管がダメージを受けると供給がストップし、復旧工事や点検に時間がかかってしまいます。

 

◆プロパンガスの主なデメリット

・都市ガスよりも料金が高い。

ガス管を通して供給される都市ガスと違い、プロパンガスは定期的なガスボンベの運搬が必要です。その分人件費がかかる分、ガス料金が高くなる傾向があります。

(一社)プロパンガス料金消費者協会の試算によると、東京都のプロパンガス平均料金は8,128円であるのに対し、都市ガスは4,303円となっており、倍近くの差があることが分かります。

 

◆地域・ガス会社によって料金に差がある

都市ガスはもともと、電気や水道などの公共インフラと同じ「総括原価方式」で料金が設定されていました。2017年に都市ガスでも料金が自由化されましたが、最初から自由化されていたプロパンガスの方が、事業者ごとの差が大きくなっています。

ガスの原価に運搬費などを上乗せしてガス会社が独自に料金を決めるため、運搬が不便なエリアや、他に競合が存在せず一社が独占しているようなエリアでは特に、ガス料金が高くなることがあります。

 

◆オーナーがプロパンガスを導入する際の注意点

都市ガスが普及しているエリアでも、プロパンガスを使用している賃貸物件はあります。

その理由に導入費用があります。都市ガスが配管工事費として平均10〜15万円程度の初期費用がかかるのに比べ、プロパンガスはガス供給会社との契約が必要です。ガス供給会社と契約することで初期費用がかからない、給湯器やエアコン、インターホンの無料貸与や給湯器の無償交換などのサービスが付いてくる会社もあります。賃貸オーナーにとっては経費が節約できるため、メリットとなっていましたが、これらのサービスに対して契約期間内の解約には高額な違約金が発生したり、契約内容自体の説明が不透明のため多くのトラブルを招いていました。

 

◆プロパンガスの販売方法に新たな規制

上記で述べた賃貸住宅のLPガス料金の問題は、長く議論が起きていた問題であり、この問題を改善すべく新たな規制が設けられました。

 

 

 

設けられた規制として下記の3つのポイントが挙げられます。

 

■ポイント1・・・過大な営業行為の制限

無償貸与などの過剰サービスを是正するためのルール。

【正常な商慣行を越えた利益供与を禁止する消費者がLPガス事業者を選ぶ際にハードルとなるおそれがある、LPガス事業者の切り替えを制限するような「条件付き契約」の締結などを禁止する。】

 

改正省令の公布から3ヶ月後(2024年7月2日)施行。

 

■ポイント2・・・三部料金制の徹底

料金の透明性を高めるためのルール。

「基本料金」「従量料金」「設備料金」からなる「三部料金制」を徹底し、設備にかかる費用は外に出して表示。

電気エアコンやWi-Fiなど、LPガス消費と関係のない設備費用をLPガス料金に計上することを禁止。

賃貸住宅向けのLPガス料金については、上記に加え、ガス器具などの消費設備に関する費用も計上することを禁止する(LPガス料金の算定の基礎となる項目を「基本料金」「従量料金」「設備料金」とした上で、「設備料金」については「該当なし」と記載する)

 

LPガス料金に関する説明責任を求めていこうというもので、改正省令が交付されてから後(2025年4月2日)に施行。

 

■ポイント3・・・LPガス料金等の情報提供

賃貸物件に入居する消費者を守るためのルール。

入居希望者が賃貸契約を締結する前にLPガス料金などの情報を提示する(入居希望者にオーナー・不動産管理会社・不動産仲介業者などを通じて、または入居希望者から要請された場合は直接提示するもの)

 

改正省令が交付されてから3か月後(2024年7月2日)施行。

 

 

まとめ

このように新たな規制により、制度を改正し、事業者や消費者向けに周知の徹底を行うことで、プロパンガスの契約取引をめぐるトラブルの発生を未然に防ぎ、入居者(消費者)を守るしくみが出来てきております。

 

今後、プロパン契約料金の高さや事業者の切り替えに悩む既存契約の方は弊社にご連絡していただければサポートさせていただきますし、消費者保護団体である「プロパンガス料金適正化協会」というところでは専門家による無料相談を受け付けているのでそちらにご相談してもよろしいかと思います。

 

 

城東支店 アンサー事業部

原田 雅章

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