賃貸経営メールマガジン

歴史を誇れる地域に その為に

2016/6/30

今週は神奈川支店の門脇がお伝えさせていただきます。

 

この数年で訪日外国客数が伸びています。

 

2013年10,363,904人(伸率24%)
2014年13,413,467人(伸率29.4%)
2015年19,737,409人(伸率47.1%)
出典:日本政府観光局(JNTO)

 

その背景としては円安が進行し、訪日外国客にとって日本での買い物や滞在がとても割安となりました。

そのうえでビザの免除や条件緩和により中国・東南アジア諸国からの観光がしやすくなりました。

 

そして2020年mのオリンピック開催地としての注目を集め、日本独特の文化への興味や評価により日本の観光資源への触れ合いを求めた観光客が諸外国より集まっています。

 

その中で我々賃貸業界として注目されているのが宿泊施設の不足から訪日外国客をターゲットとした民泊ですが、今回は観光資源としての文化財とその扱いと建築の関係について目を向けてみたいと思います。

 

私の担当させていただいている神奈川県の観光資源地域としては鎌倉や江の島などをメインとした湘南地域が有名です。

特に鎌倉は都心からのアクセスもしやすく、海外にアピールできる古都として美観や遺跡の保護は重要な問題となっています。

 

鎌倉市内には2つの景観地区(鎌倉景観地区と北鎌倉景観地区)があり、建築物の高さは15メートル(第一種低層住居専用地域の住宅は10メートル)以下とされ、建物の外壁の色に原色や派手な色の色彩の使用はできない規制があります。

 

その上、鎌倉市内は石器・跡地・貝塚・古墳などの遺物や遺構が地中に埋もれている可能性がある土地として、市域の60%もの地域が埋蔵文化財包蔵地に該当しています。

埋蔵文化財包蔵地は市町村等が作成する遺跡台帳・遺跡地図に確認することができます。

 

鎌倉市で建築予定地が埋蔵文化財包蔵地に該当している場合、工事着手の60日前までに文化財保護法第93条第1項に基づく届出を行ったうえで、計画地の一画(通常は縦2メートル×横3メートル×計画の深さ)を市の担当者立ち合いで試掘調査を行います。

そこで何かしらの遺構・文化財が出てこなければ、そのまま埋め戻しをしてそのまま施行していきますが、遺構・文化財が出土すれば本格的な発掘調査が必要となります。

 

試掘調査費用は役所の負担となりますが、本格的な発掘調査においては市に依頼することが可能ですが、何か月もの期間がかかり、自腹で民間へ依頼した場合は数百万円もの費用が掛かるようです。

どちらにしても発掘調査が遺跡を破壊しないように人力で進めるため時間と費用の負担は大きくなります。

 

このように遺跡・文化財が出土した場合には事業計画の大幅な変更が余儀なくされます。貝塚程度のものであれば多少短くなるようですが、重要文化財級の文化財の出土で1年から数年、国宝級の物が出土した場合は計画中止の上、永年建築不可となってしまう可能性もあります。

 

遺跡・文化財はもちろん日本の宝として海外に誇れる文化です。

そのため慎重で時間がかかって各種申請など手間がかかることも仕方がないことかもしれません。特に鎌倉市及び埋蔵文化財包蔵地において賃貸計画の事業計画をする際には期間に余裕を持て進めていくことが必要です。

遺跡・文化財を将来にわたって遺していくこと、ご所有の資産を次の世代へ受け継いでいくことは同じ事のように思います。

このような時期だからこそ、焦らず慎重に計画を進めていくことが重要なのかもしれません。

 

長文お付き合いいただき有難うございました。

 

 

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