賃貸経営メールマガジン

ワンルームマンション開発規制条例

2012/6/21

こんにちは、清水が担当いたします。

季節は次第に暑さと湿度が増してきました。同時に神輿や祭のムードが徐々に熱気を帯びて来たように感じます。

東京23区のワンルームマンション開発規制条例をご存知でしょうか。

豊島区では「一定規模以上の共同住宅を建築するときに、良好な集合住宅の確保、良好な近隣関係の維持向上及び高齢者社会の進展に対応した居住環境の整備を図るため」とし、また荒川区なら「良好な住宅の供給や周辺における生活環境の維持向上を図るとともに、集合住宅の居住者と周辺住民との良好な近隣関係と豊かな地域社会が形成されることをめざす」と定めています。

背景として、区に占める世帯構成にだいぶ片寄りが生じてしまったことが挙げられます。ワンルームマンションが増え過ぎたことで単身者が増加し、特に深刻なのは、ゴミだし・騒音など近隣とのマナー問題によるトラブルでした。これらを防ぐ事前策として平成16年頃から順次、各区で建築事業主に対し制定または指導要網を定めているのです。

区により専有面積や総戸数、建築条件などに違いがある中、全世帯の56%を単身世帯が占める豊島区では、狭小住戸集合住宅税(通称「ワンルームマンション税」)を定めるに至っています。これは30?未満の狭小住戸1戸につき50万円を建築時に課税、ただし狭小住戸の数が8戸以下の建築行為に対しては、課税を全額免除としているものです。

管理会社に日常に報告されるクレームの中にも、近隣から寄せられるものは少なくありません。ゴミ問題については指定時間外の廃棄や分別違いなど、引越しで入れ替わるたびルールを守れない入居者が出てくるのが残念です。

このような問題は、賃貸経営をしていく中で、いつかは無くなる問題ではありません。発見と指導の繰り返しを根気よく続けていくことが必要です。

場合によっては住宅環境がそうさせてしまっているケースもあります。曖昧な駐輪スペースであれば、整然と並ぶはずもありません。蓋付きで中の見えないごみボックスでは、同時に中を隠してしまう要因にもなります。住宅街では共同集積所は使わずに、少数世帯でも専用置場を定めるなどで近隣とのトラブル回避が図れます。他人同士が集まる集合住宅においてクレームが消える事はありませんが、予防策を打ち未然に防ぐことは有効です。

管理会社は、オーナー様に代わり文字通り入居者管理を行うわけですが、オーナー様もこのような背景の条例が存在し、日々小さくとも深刻な問題が後を絶たないことをきちんと認識される必要があります。賃貸事業を行う上で起こり得る問題を、我々と一緒に考えながら解決していただきたいと思います。

最後までお付合いいただきありがとうございました。

 

 

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