賃貸経営メールマガジン

滞納データベース(DB)について

家賃滞納
2010/2/18
賃貸経営・アパート経営ならヒロ・コーポレーション

皆さんこんにちは、本日は佐々木が担当させていただきます。

私の担当する号では、更新料訴訟について何度か取上げてまいりました。次に進展がありそうな時期は、2月24日に大阪高裁で控訴審の判決が下されることとなっております。これにつきましては次回以降、この場で述べていきたいと思います。

さて、今回は、滞納データベースについて述べたいと思います。

一般社団法人全国賃貸保証業協会が、今年2月1日より、同協会に加入している13社の滞納保証会社が、新規保証申し込み者を対象に、その申込者の個人情報をデータベース登録することを開始いたしました。

情報登録には、申込者の同意が必要となりますが、情報が蓄積されれば、保証審査(入居審査)時の個人情報の照会などに利用されます。

個人情報は、本人の氏名、生年月日、電話番号などで、保証契約の対象物件の住所、保証内容(保証期間や賃料など)、滞納事故が発生した場合の詳細情報(滞納額、滞納の経緯など)なども将来的にはDB化する予定とのことです。

クレジット会社や銀行などが加入している、個人信用情報機関のように申込者が、以前賃貸借契約において、滞納事故を起こしていないかどうかの情報を協会に加入している保証会社が照会することができるようになるのです。情報の登録機関は退去、明け渡しより5年間だそうです。

これにより、過去に滞納事故を起こしている入居者は極力排除できるようになり、滞納率の低下には、少しは影響すると思います。また、近年、滞納賃料の督促について、滞納者と保証会社との間での紛争が増えており、結果、大家や管理会社に弁済していた滞納賃料を回収できないというケースを少しでも軽減させるためには、滞納のDB化は必要なのかもしれません。

しかしながら、DB化することによって入居審査の承認率が下がると、空室率に影響が出てくる可能性は否定できないでしょう。

確かに、入居審査の精度向上にはつながるので、大家さんとしては、より滞納事故のリスクの少ない入居者を選んでもらえるので、安心でしょう。

ただ、あまりにも厳しい入居審査を行って、空室期間が余計に延びてしまうと、それはそれで賃貸経営に大きく響いてしまいます。空室対策と滞納対策は、ある意味バランスよくとらなければならないのかもしれません。

また、DBに滞納事故履歴が載ってしまった方は、情報の登録期間中は部屋を借りることができなくなってしまいます。そういった方へ何らかの救済措置は考えなくてはいけないのかもしれません。

滞納DBへの登録は、開始したばかりですが、将来、本格的にDBが活用されるようになった時は、より良い滞納対策として機能していることを願いたいものです。

お付き合いありがとうございました。

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