賃貸経営メールマガジン

【重要】お庭の草木、誰が切る?賃貸経営で知っておきたい「植栽・専用庭」トラブル予防マニュアル

メンテナンス・管理
2026/9/10

夏から秋にかけては植物の生育が最も活発になる季節です。

その一方で、賃貸管理の現場では「植栽越境」「雑草繁茂」「害虫発生」「専用庭の管理不良」といった植栽に関するトラブルが急増します。
一見すると小さな問題に思われがちですが、放置すると近隣住民との境界トラブルや建物価値の低下、さらには損害賠償問題へ発展する可能性もあります。

今回は、オーナー様にぜひ知っていただきたい植栽管理の法律知識と管理実務について解説いたします。

1.隣地から枝や根が越境してきた場合の法律
植栽に関するトラブルでは、民法第233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)が基本となります。
2023年4月の民法改正により、従来よりも実務上対応しやすい内容へ変更されました。

■ 根が越境している場合
隣地の樹木の「根」が自己所有地へ侵入している場合は、所有者の承諾を得ることなく切除できます。
これは以前から変わらないルールです。
例)
・庭木の根が擁壁を押している
・配管へ根が侵入している
・アスファルトを持ち上げている
などは、自ら切除できる場合があります。

■ 枝が越境している場合
一方、「枝」は勝手に切ることは原則できません。
まずは樹木の所有者へ剪定を求めます。
しかし改正民法では次の場合、自ら枝を切除できる可能性があります。
・所有者へ請求したにもかかわらず相当期間経過しても剪定されない場合
・所有者が判明しない場合
・急迫した事情(災害・危険性)がある場合
ただし、実際には境界や所有権の問題が絡むため、管理会社や専門家へ相談してから対応することが望ましいでしょう。

 

2. 賃貸住宅では誰が植栽を管理するのか
意外と誤解されやすいのが「専用庭」の管理責任です。
専用庭は共用部分でありながら、特定の入居者のみが使用できる専用使用部分に該当します。
そのため管理責任は
所有権=オーナー
日常管理=入居者
という考え方になることが一般的です。

■入居者様が行う管理
一般的には次のような日常管理は入居者様の負担となります。
・雑草除去
・落葉清掃
・低木の軽微な剪定
・植木鉢等の整理
これらは通常使用の範囲内として扱われることが多くあります。

■オーナー様が対応するケース
一方、以下は建物維持管理に関わるためオーナー様の対応となるケースが一般的です。
・高木剪定
・倒木処理
・危険木の伐採
・専門業者を必要とする剪定
・共有部植栽管理
・台風など自然災害後の復旧
なお、契約書や管理規約に特約がある場合は、その内容が優先されます。

 

3. 放置すると発生しやすいトラブル
植栽管理を怠ると様々な問題が発生します。
■ 害虫・害獣
雑草が繁茂すると
・蚊
・ゴキブリ
・ハチ
・ムカデ
・ネズミ
などの発生原因となります。
入居者満足度低下や退去理由にもつながります。

■ 建物設備への悪影響
植物の根は非常に強い力を持っています。
・排水管閉塞
・雨水桝の破損
・外壁汚損
・防水層劣化
・フェンス破損
など維持管理費が増加するケースも少なくありません。

■ 境界トラブル
枝が隣地へ越境すると
・日照阻害
・落葉問題
・雨樋詰まり
・駐車場への落枝
など近隣クレームへ発展します。
近年は管理会社経由で是正依頼が入るケースも増加しています。

 

4. 空室対策にも直結します
募集時に内見者が最初に見るのは建物全体の印象です。
管理状態が悪い建物では
・雑草が伸び放題
・植木が枯れている
・落葉が放置されている
・害虫が飛んでいる
といった状況が第一印象を悪化させます。

一方で植栽が適切に管理されている建物は
・管理が行き届いている
・防犯意識が高い
・安心して住めそう
という印象を与え、入居促進にもつながります。

 

5.当社からのご提案
植栽は単なる景観維持ではなく、建物の資産価値を守る重要な維持管理項目です。
当社では
・剪定業者手配
・伐採見積
・越境トラブル相談
・入居者対応
・近隣との調整
まで一括してサポートしております。

「この枝は切ってよいのか分からない」「植栽管理をどこまで行えばよいか判断できない」といった場合も、お気軽にご相談ください。

 

オーナー様の大切な資産価値を維持し、安心して賃貸経営を続けていただけるよう、今後もサポートしてまいります。

 

賃貸管理部 建物メンテナンス課

原 佑貴

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